2009年11月10日
東京都知事 石原慎太郎様
〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動
抗議文
東京都は、天皇在位20年を祝うために、11月12日に都営バス、都電の祝賀装飾運行(花バス・花電車運行)、記念写真展の開催、11月12~15日の都立15公園・施設の無料開放、都営地下鉄等の記念乗車券の発行、DVD上映・写真展示、都立4公園の記念植樹、11月12日、13日の都庁ライトアップ、11月12日のレインボーブリッジのライトアップ、そして、12月25日には祝賀式典を実施すると聞き及んでおります。
天皇在位20年をめぐっては、11月12日に政府祝賀式典が挙行される一方で、祝日法案は結局、今国会での提出は断念され、一部右翼勢力を除いて「奉祝」運動は全く盛り上がっているとは言えません。地方自治体でも、21府県議会で「奉祝」決議が上がり、都道府県レベルで祝賀事業を行っているところも多少ありますが、概して地味めです。そういう中で、上記のような多様な祝賀事業を行い、祝賀式典まで行う東京都は明らかに突出していると言わざるをえません。
東京都は、1990年の即位礼・大嘗祭、1993年皇太子結婚時に同様の祝賀式典や祝賀事業を、反対の声があったにもかかわらず強行し、いずれも、祝賀式典当日は反対情宣を警察の力によって暴力的に封じ込めて強行され、また、終了後、いずれも住民監査請求・住民訴訟の対象になりました。しかしながら、天皇在位10年の時には、全く祝賀式典・祝賀事業は行われませんでした。ところが、今回、性懲りもなく、祝賀式典、祝賀事業を強行することは、都民としては「え~かげんにせーよ」と言わざるをえません。
東京都が、祝賀事業を行うことは、都民に対して祝意を強制することであると言わざるをえません。殊に、花バス・花電車の運行は、都バスの該当路線、都電の利用者に祝意を強制するものであり、特に天皇在位20年を祝わないものにとっては、苦痛を強いるものであると言わざるをえません。また、祝賀事業、祝賀式典を行うことは,東京都が天皇を特別扱いすることであり、憲法14条「法の下の平等、貴族の禁止」に反するものです。殊に、祝賀式典の実施には多額の税金が投入され、財政状況が厳しい折、特定の個人の「祝い事」に税金が浪費されることが許されるはずはありません。その他、天皇のためのライトアップ、天皇のための記念植樹、天皇のための記念乗車券の発行等も、天皇の特別扱いであり、都民としては、到底容認することはできません。
私たちは、このような東京都の祝賀事業、祝賀式典実施の決定に厳重に抗議するとともに、今からでも祝賀事業・祝賀式典を中止するよう強くもとめます。