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法体制 : 声明「改憲=新憲法づくり」のための「皇室典範改正」に反対する
投稿者: daikos 投稿日時: 2006-1-16 1:18:11 (2513 ヒット)

声明「改憲=新憲法づくり」のための「皇室典範改正」に反対する  
反天皇制運動連絡会￿

 十月二十八日に発表された自民党新憲法草案の「前文」は、こう書きだされている。「日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者としてここに新しい憲法を制定する。/象徴天皇制は、これを維持する。……」
 なんと主権者は「国民」であるが、この「国民」が世襲の身分制である天皇制(「君主制」)を維持するとトップで宣言しているのだ。
 これが、この新憲法(案)の原則なのである。主権在民の民主主義は、あらかじめ天皇制によって破壊されたものであるという宣言だ。
 

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それにしても「維持する」とは、どういういいぐさか。維持しがたい状況があるが、あえて維持する、そう語っているのだ。
 とすると、この文章は、小泉首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」の最終報告書(十一月二十四日提出)の主張と対応していることになる。それは皇室典範と「女性・女系天皇」を容認する方向へ変えて、皇位継承者不在の状況を変えようというものである。
 なによりも「皇位継承を安定的に維持するための皇位継承制度」づくりを目ざしたと、この「最終報告」はくりかえしている。
 私たちは、この「報告書」の方針および、それに従って皇室典範を「改正」しようという小泉政権の政策に反対する。それは「万世一系の伝統(国体)」を破壊するから反対と語り続けている伝統主義右翼グループと立場を同じにするからでは、もちろんない。神話として語られている(存在しない)天皇を含めた「万世一系」などという「伝統」(ホラ話)を前提にした批判などに私たちは何の積極的意味を認めないのだ。だから私たちは「有識者会議」の「万世一系」の「伝統」なるものがあることを自明の前提とした、「伝統」の変更論も、まったくおかしな主張だと考えている。
 私たちは、あの日本の植民地支配と侵略戦争に対して最高の責任を負う天皇制が、象徴天皇制へとモデル・チェンジしながら、まったく戦争責任を取らなかったことと、取らないまま戦後に延命しつづけた戦後責任を重ねて問い続けてきた。
 だから、天皇制をさらに強化しつつ延命させようという「新憲法」に反対であり、その「改憲=新憲法」づくりのための「最終報告」に反対なのである。天皇制を「維持する」制度づくりにこそ反対なのだ。
 それは皇族を増殖させ、巨額の税金をそこにそそぎこもうという政策であり、皇室の女性をも、男同様、さらに国家のためにガンジガラメに拘束してしまうようにする制度改革である点も見落とすわけにはいかない。
 くりかえすが、とにかく私たちは、この「皇室典範」の「改正」が、自民党の「改憲=新憲法づくり」の不可欠のステップであるという事実にこそ注目しなければならないと考える。
 自民党の改憲に反対している日本共産党までも、「皇室典範改正」賛成派であるという、おそれいった天皇翼賛古会という事態を前に私たちは宣言する。「改憲=新憲法」づくりのための「皇室典範改正」に私たちは強く反対する。

二〇〇五年十二月二十三日

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