"あにまる"23号(通巻292号)2008.11.4
【扉】(天野恵一)
【主張】麻生政権に否、格差社会に否、天皇制は入らない!!(水島たかし)
【動物談義】"次の天皇はだ〜れ?" の巻き(梟、貘、熊、蝙、鰐、貂、犬)
【状況批評】名古屋高裁違憲判決を活かし、新テロ特措法延長を阻止しよう(川口創)
【反天ジャーナル】 球場の「君が代」(井上森)
軍国少年は健在です(鹿井ギン)
天皇家の四十八手(桃色鰐)
【ネットワーク】ココロ裁判で獲得したもの
——軽やかな心を忘れない(たけもりまき)
【書評】戦後教育はどのように国家主義化してきているのか 「日の丸・君が代」強制に反対する神奈川の会編『戦争は教室から始まる——元軍国少女・北村小夜が語る』(高橋寿臣)
【反天運動月報第91】「天皇在位二〇年奉祝」と「御名御璽」首相
——「反奉祝」の声を広げよう!(天野恵一)
【野次馬日誌】10月2日〜10月29日
【集会の「眞相」】死刑囚からあなたへ(深田卓)/「アフリカはTICAD・G8サミットから遠かった」(M)/反天連抗議声明「リアリティー・ツアー」不当逮捕に抗議するアピール
【神田川】校正牛、木菟、鰐、黒貂、ナマケモノ、熊、貘、
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「リアリティー・ツアー」不当逮捕 抗議声明
10月26日、大勢の人でごった返す昼間の渋谷のまちなかで、反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉2008のプレ企画としてあった麻生太郎邸拝見「リアリティ・ツアー」の参加者3人が逮捕された。警察権力は、まっとうな法的理由がなければどのような場にも介入などできない。そしてこの法的理由とは、デモや集会ではほとんどの場合該当しないし、このツアーでも皆無だ。
「救援ブログ」によれば、渋谷警察署警備課は麻生邸の規制区域に近づいたら「5名ずつならば通す」と、主催者側にあらかじめ伝えてきたらしい。しかし、平穏に歩いていた参加者50人に突然警察が突入してきて3人を路上に組み伏せ連れ去ったという。参加者が撮ったその時の映像には、逮捕理由となった「公務執行妨害」行動はまったく見つけられない。ただ誰の邪魔にもならないプラカードを両手でかかげただけだ。そして、その逮捕されようとする参加者を助けようとした2人が逮捕されたという。
3人についている罪状「公安条例違反」「公務執行妨害」にかかる行動がでっち上げであることを「救援ブログ」は訴えている。それによると警察は参加者の移動について「デモ行進」とは認識していなかったし——実際デモではなくツアーなのだ——、中止を求める「再三の警告」もなかったという。また、一部で報道されたという、参加者が「警察官を殴るなどした」「暴行を加えた」という事実は一切無い、と断言している。メディアはウソの警察情報だけで報道を行っているのだ。
格差と貧困を解決すべき首相の「豪邸」見物という、皮肉まじりの、しかし、現実にある格差を自分たちもリアルに感じようという企画は、文字どおり社会見学ツアーであり、学習の場である。警察が出てこなければそれで終わったはずの行動なのだ。そのような企画を、警察権力は不当逮捕者を出してまでもつぶしにかかったのだ。権力の中心に向かうすべての言動は許さないといわんばかりだ。また、メディアが警察情報をそのまま流すことによって、でっち上げがあたかも現実であるかのように流布してしまった。
シロをクロと言いくるめる権力を許し、その権力の意向どおりの報道がなされれば、私たちは権力の恣意のままに生かされ殺されるだけではないか。反戦ビラをポストに入れ、あるいはまちなかでプラカードを掲げれば、でっち上げの罪状で逮捕される。すでに悪夢の時代だ。逮捕された3人には勾留がついた。こんなことに勾留を請求する検察は悪質だが、それを認める裁判所の酷さはどうだ。本当にいい加減にしろ!だ。
私たちは、彼らの一刻も早い釈放を求め、渋谷警察署による不当逮捕と、でっち上げを追認した検察、裁判所による不当な権力行使、警察権力に与したメディア報道に抗議する。
抵抗者たちとともにある多くのみなさま、一緒に抗議の声をあげていきましょう。
2008年10月30日
反天皇制運動連絡会
"あにまる" 22号(通巻291号)2008.10.7
扉(nomad)
主張:あ〜、アホくさい日本の政治、やっぱ反天だ!(中嶋啓明)
貝原浩のあの時・この時:1995年1月 「阪神・淡路大震災」(天野恵一)
状況批評:独島=竹島と歴史認識(板垣竜太)
反天ジャーナル:判決ですけど……それが何か!?(竹森真紀)
天皇の「御料(五両?)車」(街宣車見習い運転手)
養育って何だ(宗像充)
【ねっとわーく】裁判支援から見える性暴力不処罰問題
——不起訴にいたる女性の人権無視システム(本山央子)
【反天連講座】どうして続くの天皇制——象徴天皇制問題基礎講座報告
第4回「戦後の人間象徴天皇制:戦争責任とどう向きあってきたか」(水島たかし)
【反天運動月報第90】映画「在位20年奉祝」イベントはスタートしている
——「もうやめちょくれ!大分国体」行動レポート(天野恵一)
野次馬日誌:9月4日〜10月1日
【集会の「眞相」】「社会保障カードなんていらない!」学習会報告(宮崎俊郎)/自衛隊のイラク派兵違憲判決を活かし、自衛隊の即時撤退を求める署名提出行動報告(山本みはぎ)
【神田川】木菟、ナマケモノ、貘、熊、黒貂
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"あにまる"21号(通巻290号)2008.9.9
【扉】(北)
【主張】福田の辞任劇などで天皇制は変わらない、あらためて反天だ!(桜井大子)
【動物談義】"オリンピック観た?" の巻き(梟、貘、鰐、貂、熊、犬、猿)
【状況批評】死刑確定者105名の声を聞け——被害者参加制度と裁判員制度が死刑大国化を加速する(深田卓)
【反天ジャーナル】「国民」の声?(幹太)
「静かな」8.15(センゴク)
「こんばんは」と「殺せ!」(ねこまた)
【ネットワーク】
立川・シビル新市民講座●20世紀をこえて——先輩女性に聞く(加藤克子)
反国体●みなさ〜ん、大分国体の抗議に来ちょくれ〜(島田雅美)
【反天運動月報第89】「8.15」「靖国」・オリンピック——天皇(伝統)主義右翼の内部対立と「在位20年奉祝」(天野恵一)
【野次馬日誌】8月1日〜9月3日
【集会の「眞相」】
8.15「靖国」行動(桃色鰐)/8.15を問い続ける京都集会「8.15再考」(寺田道男)/「激論・日本に反グローバリゼーション運動は上陸したか!?」(塩沢加奈子)
【神田川】木菟、ナマケモノ、犬、貘、鰐、黒貂
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季刊『運動〈経験〉』No. 26(2008.8.15)
【特集】危機の象徴天皇制——アキヒト・ミチコ天皇制の20年
・なぜ「内なる天皇」を追放できないのか?——遺言・のようなもの(彦坂諦)
・アキヒトは「20年」をいかに語りうるのか(北野誉)
・天皇アキヒトと女帝ミチコの「アキヒト・ミチコ天皇制」(桜井大子)
・イギリス王室にはなれない日本の皇室だが……(高橋寿臣)
・かばいたい?けなしたい?それとも……
——困った夫婦のトホホなヨメさんをめぐる、ぼやき。(大橋由香子)
・「靖国神社の御神体は刀」前靖国神社(第八代)宮司湯澤貞
——映画「靖国YASUKUNI」上映騒動で見えてきたもの(辻子実)
・天皇制に抗い自分自身の労働と生存を奪い返す(たけもりまき)
・別の暦を書く(平井玄)
・皇太子夫婦は亡命せよ(加藤克子)
・秋葉原の惨劇、20年間の疎外(井上森)
・気候変動と天皇制(小倉利丸)
・天皇制民主主義はなぜ続くのか——「丸山諭吉」神話の戦後責任(安川寿之輔)
【象徴天皇制の現在】
右翼が「天皇制度の廃棄」を言うとき象徴天皇制はどこへ向かう?(中嶋啓明)
【インタビュー】渡辺総子 渡辺清と「わだつみ会」の思い出——天皇制批判という課題をめぐって(聞き手:天野恵一/水島たかし)
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【集会の記録】許すな!環境破壊と歴史偽造 4.29反「昭和の日」集会
歴史の「偽造」と戦争責任問題(林博史)
地球環境破壊・食料・エネルギー問題を考える(天笠啓祐)
【ロング書評】
広義の「皇国史観」・狭義の「皇国史観」/長谷川亮一著『皇国史観』(千本秀樹)
【コラム】
●日の丸・君が代(梶川凉子)
●沖縄から(鳥山淳)
●「天皇論」を読む(水島たかし)
●福岡から(小野俊彦)
●北海道から(越田清和)
●神奈川(京極紀子)
編集:反天皇制運動連絡会/発行:軌跡社/発売:社会評論社/1200円+税
*書店でもお買い求めいただけます。送料込みで発送もいたします。
"あにまる"20号(通巻289号)2008.8.5発行
【扉】(平井玄)
【主張】暑いデモと、熱いディスカッションを!(中村ななこ)
貝原浩のあの時・この時:1996年2月 東京森隣生活者(天野恵一)
【状況批評】サミットから見えてきた日本の治安・監視体制の本質(小倉利丸)
【反天連講座】どうして続くの天皇制——象徴天皇制問題基礎講座
第3回「天皇制と国民国家:近代の天皇制国家とは」報告(水島たかし)
【書評】ATTACフランス編『徹底批判G8サミット』、栗原康著『G8サミット体制とはなにか』(山口響)
【ネットワーク】映画は考え、歩き、共鳴する 「山谷」制作上映委員会(池内文平)
【反天ジャーナル】オリンピック、ウェアもグッズもフェアな労働で(中森圭子)
お魚が食べたい。(尾頭戴子)
八月はいずれにしろ靖国か(無神論者)
【反天運動月報第88】天皇主義右翼にとって「外国人」とは何か?——反(北海道)洞爺湖サミット行動レポート(天野恵一)
【野次馬日誌】7月2日〜年7月31日
【集会の「眞相」】普天間協議会への緊急抗議行動——県議会決議を無視して新基地建設を進めるな!(田守順子)/「言論弾圧の水脈」の報告(井上森)
【神田川】木菟、桃色鰐、犬、貘、ナマケモノ、黒貂、熊
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"あにまる"19号(通巻288号)2008.7.8発行
【扉】(たかし)
【主張】「皇室外交」と「在位二〇年」をめぐる天皇制の再編・強化を許さない!(北野誉)
【動物談義】"「天皇制廃棄」?" の巻き(梟、熊、貘、鰐、犬、貂)
【状況批評】金まみれ、血まみれの「聖火」がやってきた(江沢正雄)
【反天ジャーナル】みんなでタレこみ!(nomda)
「秘密の日記」(さまこさま)
チェンジング〜ぅ!(てれびっ子)
【書評】吉田外儀著『太平洋戦争とわが家——七人の孫たちへの証言』(梶川凉子)
【紹介】イラン・パペ語り『イラン・パペ、パレスチナを語る——「民族浄化」から「橋渡しのナラティヴ」へ』(田浪亜央江)
【ネットワーク】反弾圧●「釜パトアピール」G8の支配に——「NO!」(釜ヶ崎パトロールの会 N)
【反天運動月報第87】右翼ヤクザへの死刑判決をめぐって——長崎市長銃撃事件(天野恵一)
【野次馬日誌】6月4日〜7月1日
【集会の「眞相」】恒久派兵法を許さない6.14集会(木村雅夫)/オリンピックと新銀行東京とのあぶない関係(アツミマサズミ)/G8の頂(サミット)を裾野が揺さぶった反G8サミット直前東京行動終わる(笠原光)
【神田川】木菟、貘、鰐、ナマケモノ、犬、黒貂
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"あにまる"18号(通巻287号)2008.6.10発行
【扉】(宮)
【主張】天皇制のイデオロギーに亀裂を!(水島たかし)
貝原浩のあの時・この時:1994年3月 ミチコ・バッシング(天野恵一)
【状況批評】戦争犯罪集団・G8なんていらない!(山口響)
【反天ジャーナル】ある殺人事件の判決(鹿井ギン)
ワインレッドのジャケット(桃色鰐)
これが高度な政治性!(K)
【反天連講座】どうして続くの天皇制——象徴天皇制問題基礎講座
第2回「天皇制の現実:憲法第一章(1条〜8条)」報告(北野誉)
【ネットワーク】弾圧●〈フリーター〉は黙らない?——5月病祭2008への弾圧(小野俊彦)
【ななこの映画を観た!】チャン・イーモウ監督「王妃の紋章」(中村ななこ)
【反天運動月報第86】「高度」に政治的な判決と天皇制——砂川(安保)最高裁判決へのアメリカの政治介入をめぐって(天野恵一)
【野次馬日誌】5月7日〜年6月3日
【集会の「眞相」】サミット警備にNO! 戦争協力を許さない5.24集会(池田五律)/政府は名古屋高裁の判決に従え!6.15防衛省抗議要請行動(梶野宏)/アフリカの貧困・環境破壊・戦争を考えるデモと集会(松本和史)
【神田川】桃色鰐、黒貂、ナマケモノ、犬、熊、貘、木菟
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"あにまる"17号(通巻286号)2008.5.13発行
【扉】(北)
【主張】天皇の外交政治と歴史を不問に付す福田外交を許すな!(桜井大子)
【動物談義】"右翼と自主規制" の巻き(梟、熊、貘、貂、犬)
【状況批評】米軍基地と沖縄戦——差別の構図(芦澤礼子)
【反天ジャーナル】「五月病祭」危うい鼓動の顛末(竹森真紀)
表現の自由の試金石(木下茅)
バースコントロールもばっちり?(友丘)
【ネットワーク】「護憲」への違和感——さっぽろ自由学校「遊」(都築仁美)
彼らが有罪だと喚いても、全然有罪な気はしない(井上森)
【反天運動月報第85】「宮中祭祀」をめぐる二つの天皇制イデオロギー——「在位20年」キャンペーンと新たな象徴天皇制(天野恵一)
【野次馬日誌】4月1日〜5月6日
【集会の「眞相」】立川反戦ビラ入れ裁判・不当判決を認めない(大子)/反「昭和の日」集会とデモ(水島たかし)/「自由と生存のメーデー08」——プレカリアートの増殖と連結が始まった(山口素明)
【神田川】木菟、貘、鰐、ナマケモノ、犬、黒貂、熊
●定期購読をお願いします!(送料共年間4000円)
●mail: hanten@ten-no.net
●郵便振替00140-4-131988落合ボックス事務局
反天連メーデー宣言
2007年12月20日、天皇アキヒトは誕生日を前にした記者会見で次のように述べた。
「社会格差の問題については、格差が少ない方が望ましいことですが、自由競争によりある程度の格差が出るのは避けられないとしても、その場合、健康の面などで弱い立場にある人々が取り残されてしまうことなく社会に参加していく環境をつくることが大切です。また、心の中に人に対する差別感を持つことがないような教育が行われることが必要と思います」。
格差・差別の根源は天皇制にあり。
差別の上に成立する天皇制のボスが格差社会について語り、「人に対する差別感を持つことがないよう」などと説教する。それだけでも不愉快千万であるが、それで天皇の株が上がるのというのであれば、それはあまりにも人をなめた話である。
しかし一方で、天皇制の将来を案ずる学者・原武史は、皇太子夫婦に対して「救済の天皇」たれ、と提唱したりしている。宮中にこもって祈るのではなく、「ネットカフェ難民」や「プレカリアート」と呼ばれる人々を皇居に招いて食事をしたり、「ネットカフェ」に出向いて彼らと同じ食事をしたりしろと。もちろん、そんなことでこの格差社会に苦しむ人々が救われるはずもないことは、この御用学者はわかっている。曰く「皇太子夫婦が自ら降りていき、格差社会の救世主になることができれば、草の根レベルで皇室に対する関心を広げていくことができる」。
「救済」されなければならない人々は、天皇一族にとっては「慈愛」をほどこす対象、言い換えれば利用の対象でしかない。不平等な条件にある者を慰め、励ます。それだけで天皇の株が上がり、当の問題は核心から外されていく。
天皇制は天皇を頂点とした格差と差別を是とする身分制度である。当然、ここにいる誰一人として天皇になることはできない。生まれ落ちたところで人生の選択肢がほぼきめられてしまう、世襲制の身分制差別社会なのだ。たとえば天皇の一族として生まれれば、最高級の祝福を受け、その乳飲み子は年収305万円。そして最高の権威を背負って生まれ落ちた天皇一族は、私たちの平和な生活を祈っているらしい。しかし彼らの祈りとは、この差別社会が平穏に続くことを願う呪いの言葉でしかない。
まずはこのような天皇制社会の常識や価値観をくつがえそう。ほしいのは天皇の「慈愛」でも祈りでもないのだ。そんなものは犬に喰われてしまえ。平等で民主的な関係を築ける社会のあり方を目指し、声をあげ、行動するしかないのだ。反天皇制の闘いがそのような運動に繋がっていくことを、私たちは確信している。ともに闘いましょう。
2008年メーデー
反天皇制運動連絡会